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岩綿吸音板とアスベストの見分け方 ｜ 健康への影響なども解説！
2023年03月31日
「岩綿吸音板とアスベストってどうやって見分けるの？」
「成分や特徴の違いが知りたいし、健康への影響が気になる」
本記事では、岩綿吸音板とアスベストの見分け方を解説します。
成分や特徴を比較しながら説明するため、初心者の方でもわかりやすい内容です。
また、健康への影響・使用場所・岩綿吸音板の代替品についても説明するので、ぜひ参考にしてください。
岩綿吸音板とアスベストの見分け方｜基礎編
岩綿吸音板とアスベストは、特徴や成分で見分けられます。
以下の表は、岩綿吸音板とアスベストの成分や特徴を比較したものです。
| 岩綿吸音板 | アスベスト | |
| 成分 | 石綿以外の天然繊維
合成繊維、樹脂 |
石綿 |
| 指で触ったときの
感触 |
手のひらに岩綿をのせて
指でこすると粉々に砕ける |
手のひらにアスベストをのせて
指でこすっても砕けない |
| 酸による判別 | 市販のお酢で溶ける | 市販のお酢では溶けない |
| 耐熱性 | 高い | 高い |
| 耐久性 | 低い | 高い |
| 防音性能 | 高い | 高い |
| 健康への影響 | ほとんどなし | 吸入すると肺がん
中皮腫などのリスクがある |
| 国際がん研究機関
でのグループ分け |
グループ3
「発がん性に分類できない」に該当 （お茶と同じグループ） |
グループ1
「発がん性 あり」に該当 （喫煙と同じグループ） |
岩綿吸音板は耐久性は低めですが、耐熱性や防音性能が高いのが特徴です。
一方のアスベストはすべての性能が高いですが、健康への被害が非常に大きく危険です。
アスベストは石綿を含んでいるため、肺がんや中皮腫などのリスクがあり、現在では使用を禁止されています。
特徴を注意深く観察し、岩綿吸音板とアスベストを調査員は見分けているのです。
岩綿吸音材｜環境にやさしい建築材料
岩綿吸音板は環境にやさしい建築材料として注目されています。
その理由は、石綿以外の天然繊維・合成繊維・樹脂などを原料とし、防音性能にも優れているからです。
岩綿吸音板はさまざまな場面で活用されています。
具体的な使用場所は以下の通りです。
・ビルやマンションの壁や天井
・ホールや講堂の内装
岩綿吸音板は、施工や撤去時に繊維が舞い上がります。
しかし、石綿以外の天然繊維を使用しているため、健康被害はほとんどありません。
アスベスト｜吸入すると体に有害な建築材料
アスベストは、施工や撤去時に繊維が舞い上がりやすいです。
そして、吸入すると肺がんや中皮腫などの健康被害が発生するリスクがあります。
現在では使用が禁止されていますが、アスベストが使われている建物も現存しているので注意が必要です。
岩綿吸音板とアスベストの見分け方｜体への被害編
岩綿吸音板とアスベストの見分け方は、体への被害でも判断ができます。
双方の特徴は、以下の通りです。
・岩綿吸音材｜健康被害が少ない
・アスベスト｜肺がんや中皮腫などのリスクあり
岩綿吸音板とアスベスト、それぞれが与える体への影響を詳しく見ていきましょう。
岩綿吸音材｜健康被害が少ない
岩綿吸音板は石綿を含んでいないため、健康被害がほとんどありません。
岩綿吸音板は、IARC（国際がん研究機関）によってグループ3に分類されます。
グループ3に分類される物質は、人体に対して発がん性があるとはいえません。
つまり、岩綿吸音板は健康面で安心できる建築材料といえます。
アスベスト｜肺がんや中皮腫などのリスクあり
アスベストは肺がんや中皮腫など健康被害のリスクがある建築材料です。
肺細胞内に侵入すると、肺細胞に炎症を引き起こします。
アスベストによる健康被害は国際がん研究機関（IARC）によって、グループ1（発がん性がある）に分類されています。
継続し吸い込めば、がん細胞が形成され「肺がん」や「中皮腫」を引き起こす可能性も高いです。
以上の理由から、アスベストは現在使用が禁止されているのです。
岩綿吸音板・アスベストの見分け方｜使用場所の違い編
岩綿吸音板とアスベストの見分け方は、使用場所の違いでも判断ができます。
岩綿吸音板が多く使用されるのが以下の場所です。
・ビルやマンションの壁や天井
・ホールや講堂の内装
・工場や工場の機械の外装
・自動車のエンジンルームやキャビン内装
岩綿吸音板は耐熱性・防音性能の高さから多くの場所で活用されています。
また、石綿を含んでいないため、健康被害がほとんどありません。
一方、アスベストは健康被害があるため、現在は使用が禁止されています。
しかし、過去に建てられた建築物や機械・自動車の一部にはアスベストが使用されています。
アスベストが含まれている可能性が高い建築物の撤去を行う際には、必ず専門家へ依頼をしましょう。
アスベスト・岩綿吸音板の見分け方を知り代替品も検討しよう
岩綿吸音板の代替品は以下の通りです。
| 成分 | 特徴 | 使用場所 | |
| グラスウール | ガラス繊維 | 優れた断熱性能 | 天井、壁、床 |
| 鉱綿吸音板 | 鉱綿繊維 | 防音性能が高い
耐火性に優れる |
スタジオ、劇場、ホール |
| セルロースファイバー板 | 新聞紙、古紙など
から作られた繊維 |
環境にやさしい
防音性能が高い |
天井、壁、床 |
上記材料は岩綿吸音材より施工が難しい場合があります。
事前に施工できる業者がいるかを必ず確認しましょう。
まとめ
岩綿吸音板は防音性能が高く、健康への被害がほとんどありません。
アスベストは耐熱性・耐久性・防音性能が高いですが、吸入すると肺がんや中皮腫などの健康被害があります。
これが、両者の違いです。
本記事で紹介した岩綿吸音板とアスベストの特徴や見分け方を参考に、建築材料の理解を深めてください。
