お役立ちコラム
column
ビルの解体費用相場とは?費用を抑える方法とアスベスト調査の必要性
2023年06月15日
「ビルの解体を予定しているが、解体費用がわからないので心配」
このような不安を抱いている方もいるのではないでしょうか。
解体費用は高額になるため、費用相場を調べておくとコスト削減につながります。
古いビルの場合は、2022年の法改正によりアスベスト調査費用も必要です。
本記事ではビルの解体費用や付帯工事を中心に、コストを抑えるポイントについて詳しく解説します。
ビルの解体費用は大きさや構造別で異なる
ビル解体費用は、ビルの大きさや築年数、構造により異なります。
周辺の環境により、別途費用が必要です。
場合によっては、数百万円以上の差が出るケースもあります。
大きなビルでは、解体後に出る廃棄物の量も多く廃棄物処理費用も高額です。
解体作業には人員も必要になるため、人件費がかさみます。
高額な費用を抑えるためにも、解体費用について理解しましょう。
ビルの解体費用の目安と費用
ここでは、ビルの解体費用の詳細について紹介します。
下記の3種類を中心に、費用の目安にしましょう。
・地域差による解体費用
・解体以外にかかる付帯工事費用
・産業廃棄物処理費用
1.地域差による解体費用
解体費用は、東京や大阪など地域によって金額が異なります。
地域別による解体費用の差は下記表のとおりです。
建物種別 | 地域 | 建物構造 | 階層 | 延べ床面積(坪) | 平均相場(千円) | 不用品処分費(万円) |
ビル | 東京都港区 | 鉄骨造 | 4階建て以上 | 91~100 | 8,231 | 30 |
コンクリート造 | 9,150 | 30 | ||||
大阪府大阪市 | 鉄骨造 | 8,147 | 30 | |||
コンクリート造 | 8,977 | 30 |
※隣家距離は60cm以上、前面道路は4m以上で算定
近年の物価高の影響により、高騰している可能性があります。
事前に見積もりを取り、相場価格を確認しておきましょう。
2.解体以外にかかる付帯工事費用
解体工事は、付帯工事の種類により費用が変わります。
除去する物でも変わりますので、下記の相場表を参考にしましょう。
工事内容 | 相場 | 単位 | 相場費用の計算基準 | 備考 |
---|---|---|---|---|
ブロック塀の除去 | 2,500円~1万円 | 1平米あたり | 塀の塀の高さと広さ | 運搬費・廃棄物処分費・現場諸経費・人件費は除く |
土間コンクリートの除去 | 鉄骨なし700円~
鉄骨あり1,000円~ |
1平米あたり | コンクリートの厚さ・鉄骨使用の有無 | 建物の解体工事とセットで見積もる場合も多い |
アスファルト剥がし | 5cmの場合:1,000円~
10cmの場合:1,500円~ |
1平米あたり | アスファルトの厚みにより異なる | 雪がよく降る地方ではアスファルト舗装が厚めになるため、先の相場よりも高くなる |
樹木除去 | 5,000円~ | 1本あたり | 除去する樹木の本数 | 低木・中木・高木により異なる。また、運搬に利用するトラックの台数でも異なる |
付帯工事は、上記以外にもあります。
解体するビルに応じた付帯工事を確認しておきましょう。
3.産業廃棄物処理費用
解体したビルの廃棄物は、産業廃棄物として適切な処理が必要です。
解体業者が不法投棄をすると、解体業者が罰せられるだけではなく、施主まで罰則を受ける可能性があるので注意しましょう。
産業廃棄物の種類 | 相場価格(1立方メートルあたり) | 備考 |
軽量混合廃棄物 | 13,000円~ | 次のものが混ざっていない場合:がれき・ガラ |
廃プラスチック系混合廃棄物 | 16,000円~ | 塩ビ系の割合が高い場合 |
ガラ混合廃棄物 | 30,000円~ | 次のものが混ざっている場合:ガラ・タイル・廃プラ・紙 |
ボード混合廃棄物 | 30,000円~ | 次のものが混ざっている場合:木くず・廃プラ・紙など |
実際に出る産業廃棄物の種類でも費用が異なるので確認しましょう。
ビルの解体前に必要なアスベスト調査費用と補助金
ここでは、解体費用に含まれていない、アスベスト調査費用と補助金について解説します。
2022年に施行されたアスベスト改正法により、ビルや古い建物の解体前にアスベスト調査が義務化されました。
調査方法は下記の3つです。
・書面調査
・現地調査
・分析調査
・調査内容により、発生する費用が異なります。
調査費用
アスベストの事前調査は、書面調査・現地調査・分析調査です。
書面調査でアスベストの未使用が確認できれば、以降の調査は実施しません。
必要な調査に応じた費用が発生します。
調査内容 | 1現場あたり(分析調査は1検体あたり)の費用 |
1. 書面調査 | 20,000~30,000円 |
2. 現地調査 | 20,000~50,000円 |
3. 分析調査 | 1.定性分析:3万円~6万円
2.定量分析:3万円~6万円 1と2の両方:4万円~10万円 |
分析調査は、一ヶ所ごとに費用がかかりますので事前に確認しておきましょう。
調査や除去工事は補助金が活用できる
アスベストが使用されているビルは、除去工事を実施して解体に入りましょう。
通常の解体費用にアスベスト調査費用や除去費用も発生し、ビル解体費用が予想以上にかさみます。
アスベスト調査や除去工事に関して、国や自治体の補助金制度があります。
費用の一部補助が受けられますので、アスベスト調査を必要とする際には自治体へ相談しましょう。
ビル解体費用を抑えるポイント
ビル解体費用を抑えるポイントは、下記の3つです。
1.相場を知るために相見積もりを取る
2.アスベスト調査は補助金を利用する
3.解体する時期も考える
解体業者を決定する際には、必ず複数の業者から見積もりを取りましょう。
地域の相場価格が確認でき、値引き交渉にも役立ちます。
アスベスト調査には、補助金制度を利用し費用を抑えましょう。
解体する時期も、繁忙期を避けて閑散期(4~10月)に実施すると費用が抑えられます。
繁忙期は人手が足りなくなり費用も高くなりますので、余裕を持ったスケジュールで解体工事を依頼しましょう。
まとめ
ビルの解体工事は費用と時間がかかります。
2022年よりアスベストの事前調査が義務化され、解体にともなう費用も以前より多くなりました。
ビルの解体工事情報が掲載されているホームページや、解体業者の見積もりを参照し、解体費用を調査しておきましょう。
アスベスト調査費用は自治体などに補助をしてもらえます。
事前に相談し解体にかかる費用を抑えましょう。