お役立ちコラム

column

飲食店のスケルトン解体とは?工事費用を抑える方法 ポイントを解説

2022年11月28日

飲食店の店舗契約を解約し、貸し主側へ返す際には入居時と同じ状態に戻す必要があります。
飲食店では、主に居抜き状態に戻す場合と、スケルトン状態に戻す場合があります。

その中でも、スケルトン状態に戻す解体工事は、居抜き状態に比べると費用が高くなりがちです。
なるべく費用を抑えるために重要なポイントを解説します。

飲食店のスケルトン解体とは?工事費用を抑える方法 ポイントを解説

飲食店は原状回復しないといけない?

原状回復工事とは、入居した時の状態に戻す工事です。
どのような状態に戻すかは、飲食店の店舗を借りる際にもらう賃貸借契約書の中に記載されています。
契約書に記載された原状回復工事の範囲通りに戻さなければなりません。

また飲食店店舗は、店内イメージが強く出るものです。
そのため、原状回復工事の中でも、構造部分だけを残すスケルトン工事が行われる場合が多いです。
契約時には、原状回復工事の範囲をきちんと把握しておきましょう。

飲食店の居抜きとスケルトンの違い

飲食店には、居抜き物件とスケルトン物件があります。
居抜き物件は、前に入っていた店の設備などがそのまま残っている状態です。
居抜き物件で入居した場合は、解約時も入居時と同じ状態に戻します。

ただし、飲食店ではたばこのヤニや油汚れがつきやすいものです。
その点から、入居時は居抜きでも解約時はスケルトン解体が必要な場合があります。

スケルトン物件は、建物の構造部分だけの状態になっている物件です。
内装空間を自由に決められるため、こだわりのお店を持ちたい方に人気となっています。
スケルトン物件で入居した場合、退去時もスケルトン工事が必要です。

飲食店のスケルトン解体の工事

スケルトン解体工事は、建物を骨組みの状態にします。
飲食店はお店によって、内装や天井、壁などが異なります。
全く異なる業種を行う場合などは、スケルトン解体での引き渡しが多いです。

飲食店では、扱われている食材や調理方法によって内装の劣化状況が異なります。
その点を考慮して、解約時には店舗内すべてをスケルトンにして返却する場合が多いです。

どんな工事をするの?

スケルトン解体の工事は、店内すべての内装を撤去し、コンクリート打ちっぱなしの状態にします。
基本的には、壁やドア、設置されているキッチンやエアコンなどの設備を手作業で解体します。

廃棄物も作業員が手で運び出すため、基本的には重機は使いません。
しかしキッチン部分の床は、コンクリートを斫る作業が入る場合もあります。
そうなると小型の重機が必要になります。

大掛かりな工事となるため、騒音やゴミなどが舞い散るでしょう。
スケルトン解体工事を行う際は、あらかじめ近隣にご迷惑をおかけする旨を伝えるとともに、あいさつまわりしておきましょう。

メリットを紹介|費用が安い?

スケルトン解体は、建物全体の解体作業と違い、構造部分は残したままで工事完了となります。
建物自体をすべて取り壊すわけではないので、作業工程も廃棄物も少なく済みます。
作業負担が軽いため、その分工事費用が抑えられます。

また、スケルトン解体工事は構造部分だけの状態にできるため、自由に内装を変えられます。
店舗の自由度が高く、自分のイメージ通りの店舗に仕上げられるでしょう。

デメリットを紹介|時間がかかる?

スケルトン解体工事は、内装をすべてなくして建物を骨組みだけにします。
そのため、思わぬトラブルが発生する場合があります。

例えば、壊したくない壁を傷つけてしまったり、構造部分が想定していた以上に劣化していたりする場合です。
そのようなトラブルが生じると、工期に遅れが生じます。
居抜きでの引き渡しと違い、工事範囲や構造部劣化で工期が長くなる場合があります。

飲食店のスケルトン解体工事にかかる費用相場を解説

スケルトン解体工事の費用は、立地条件や工事内容、飲食店の業種によって大きく変わります。
相場は『14,000円〜40,000円/坪』です。

しかし、店舗内の間仕切りの数、排気ダクトや小上がりといった構造部分の複雑さによって作業工程が変わるため、費用も異なります。

近隣の店舗への配慮によって、作業する時間帯が限られる場合があります。
夜間の作業が必要になると、人件費も高くなるので見積もり時にしっかり確認をしておきましょう。

費用を抑える方法

スケルトン解体の費用を抑えるためには、工事を依頼する前の下準備が必要です。
まず、スケルトン工事にとりかかる前にスケジュールの確保をしましょう。
店舗返却日までに余裕があると、業者側の提案も受けやすくなり値引き交渉もしやすくなります。

そのほかに、解体工事の費用を抑える方法として2つほど挙げられます。

● 複数の会社で工事内容を比較する
● 自分が動いて作業を任せる範囲を減らす

この2つを行うと、通常よりも工事費用を抑えられます。
具体的に何をすればいいのか、ここから詳しく解説していきます。

複数の業者から相見積もりを取る

解体工事の見積もりは、一社だけだと工事内容・金額が適正であるかわかりません。
スケルトン解体工事を頼む場合は、複数の会社で見積もりを出してもらいましょう。

その際、金額面だけを重視して、安さだけで業者を選ぶのはNGです。
解体方法・工事内容などは、各会社によって変わります。
料金だけを重視すると、工事内容が簡易なものや、あとから追加料金が発生する契約の場合があります。

見積もり内容の詳細まで見ると、必要な工事を行ったうえでの金額か、余分な費用がかかっていないかを確かめられます。

自分でできる不用品処分などは済ませておく

解体業者にすべて任せると、店舗内のゴミは産業廃棄物として処理されます。
そうなると、処理代が高くついてしまいます。
費用を抑えるためには、不用品などをできる限り自分で処分しましょう。

また、店舗内で使われていた電化製品・棚・机や椅子などは、専門業者が買い取りしてくれる場合があります。
意外なところでは、ドアノブなんかも買い取ってくれるかもしれません。

解体工事の業者を探す際は、同時に不用品の整理や処分してくれる業者を探すとよいでしょう。
解体工事を始める前に、どれだけ余裕を持って行動するかで費用は大きく変わってきます。

まとめ

スケルトン解体工事について解説しました。
居抜き状態での引き渡しと比べると費用が高くつきますが、工夫次第で費用を削減できます。
今回紹介した費用を抑える方法を参考にして、業者選びを行ってください。

ただし、スケルトン解体工事は引き渡しまでに時間がかかります。
店舗解約をする際は、工事の日数も考慮したうえで早めに動くようにしましょう。